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1人用台本  百鬼夜行


鈴の音を鳴らし、今宵も闇の中をかけていく。
ここは我らの領域

閉ざされた世界で踊るは貴女
何を想いその瞳に世界を映すか

詩を読み進む

仄かな灯りが暗闇の中で輝く。
それは我らが通る道を照らすモノ

「…おやおや、迷えるお客様だ

皆のもの、食事の準備を!」

歓迎するは、孤独を嫌うモノたち
食すは心。存在を示すもの

その魂の業を背負い。今日もそれらを率いる。
我らは闇に生きるもの。面から見えるその世界は、やはり薄暗い。

クスクスと笑をこぼしながら、そのものたちは唄う。

「我らは妖
我らの主は妖の王!
罪深き魂よ、はよう出ておいで!
我らとともに、闇の世界を渡歩こうぞ!」

百鬼夜行は、今宵も闇の中。
歩みを止めることはなく、それらは進む。
妖の王は、面の奥で何を想うか。

それは、謎に包まれたまま。

鈴の音とともに、朝を迎える。

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