台本・セリフ置き場 pair89
デュエット・ファンタジア 第二話 デュエット
キャスト
ディア♂
一匹狼の主人公、19歳。魔王軍を倒すことを常に頭の中に入れている。あまり人と交流するのが好きではないらしく、友達も少ない。
剣技に長けており、ジュアン(学園組織)の中で好成績を収めている。
パートナーのフラムに振り回されていて、いつのまにかツッコミ要員に。
フラムとのデュエット時はサラマンダーの力を借りているので姿も変化する。
武器は長剣を愛用している。
フラム♀
元気ありすぎて天然ボケの女の子。年は17歳。ヒロインポジション。ディアとは2年前にデュエット(力の継承)をして以来の仲であり、ディアと相性抜群だと言われている。エールの民と呼ばれる、精霊の力を借り、その力をその身に宿すことができる種族であり、フラムはサラマンダーの守護を受けている。武器はナイフで、主に炎属性の魔法を使う。
ルーア(♀)
ディアと同じく一匹狼状態の少女
だが能力的には大人よりも高いと言われている天才少女でもある。
愛用武器は槍
パートナーはリディオーネ。
リディオーネとのデュエット時はウンディーネの力で人魚に近い姿になり、槍の形状も変化。
実は超がつくほどのお嬢様でいろいろ狙われたりする。
リディオーネ(♀)
ルーアのパートナーで幼いながらもメイド長。
少しおどおどしているが戦闘ではかなりのやり手としてジュアンの中で有名な少女。
リディオーネはウンディーネの守護を受けており、武器は拳銃。水属性の魔法も使いこなす。
でかゴブリン(不問)
西の巣窟を拠点としているゴブリンの群れのリーダー。
凶悪なので指名手配されている。
ディア♂:
フラム♀:
ルーア♀
リディオーネ♀:
でかゴブリン(不問):
♂1 ♀3 不問1
フラム:ディーーアーーー
ディア:……
フラム:……これは機嫌悪いやつだ……
ディア:……ふん
ルーア:あら、ディアとフラムじゃありませんの
フラム:あ!!ルーアだ!どうしたの?こんなとこにいるなんて
ルーア:リディを探しておりますの。あの子とはぐれてしまって……
ディア:あのメイド長か。
フラム:あ、ディアが戻った
ディア:うるせーいつまでもくよくよしてられっか
フラム:まぁね
ルーア:それでお二方、リディを見かけませんでした?
フラム:ううん
ディア:知らん
ルーア:まぁ、そうですわよね……
(端末を操作している)
ディア:……
フラム:ん?どーしたのーディア
ディア:もうすぐポイントにつくだろうなと思ってな。……こっちか
ルーア:ちょ、ちょっと!私を置いていかないでくださいませんこと?!
ディア:俺らが行くところは恐らくこの地帯の村だろう。そこにメイド長もいるかもしれねぇだろ?
フラム:ほーなるほど
ルーア:……お気遣い、感謝致します。
フラム:いいっていいって!
ディア:お前が言うな。……ほんじゃま、行くか。
フラム:おっす!!
(間)
(村が焼かれているあと)
ルーア:……!
ディア:な、なんだこれ……
フラム:む、村が……焼かれてる……襲われた、あと……?
ルーア:村人一人……いらっしゃいませんの……?
ディア:探すぞ!!
フラム:う、うん!!
(走る音)
ルーア:はぁ、はぁ……誰か、誰かいらっしゃいませんの?!
フラム:誰かーー!!誰かいないのーー?!
ディア:はぁ、っはぁ……誰もいねぇな……
フラム:ね……これだけ探してるのにだれ一人……
ルーア:……おかしいですわ
ディア:どういうことだ?
ルーア:よく考えてくださいまし。この状況で”村人誰一人いない”……死体すら。
ディア:!確かに……
フラム:てか死体があったら怖いし!!
ルーア:でもこの状況でそれがないのはおかしいのです。
ディア:どういうことだ……?
フラム:!!だれか来る!!
ルーア:え?
ディア:隠れるぞ!!
ルーア:何も聞こえなかったんですけれど……
ディア:フラムは耳がいいんだ。いいから隠れるぞ!!
ルーア:わ、分かりましたわ!
(間)
でかゴブリン:人間の気配がしたからきてやったが……なんだ。誰もいねぇじゃねえか。……ま、俺様が
襲ってやった村だからな!生存者がいるわけがないんだな!!これが!!ざまぁみろ人間!!はははは
は!!!!
(小声)
ディア:!!あいつ……!!
ルーア:なんなんですの?!あのでかさは!
フラム:多分あいつだよディア!
ディア:ゴブリンの王……!!
ルーア:名付けて、でかゴブリンですわね
ディア:……おう
ルーア:なんですの?何か言いたいことがあって?
ディア:なんでもね
(飛び出して)
フラム:こーーーらあああ!!でかゴブリン!!
ディア:ああああああのばかああああ
でかゴブリン:ああ?ほんとに人間がいたのか?!
フラム:悪さする魔物はあたしが全員ぶっ飛ばすんだからね!!
でかゴブリン:何を言うかと思えば……俺様をただの魔物と思ったら大間違いだ!!!
ディア:なんだあれ……
ルーア:あの黒く鈍い光……玉……?
でかゴブリン:その辺で拾ったんだが、これがすごくてな!!!力がみるみるわいてきやがる!!これで俺は、魔王すら超えるんだ!!
ディア:何言ってんだこいつ
フラム:何言ってるんだろうね
ルーア:何言っているのかさっぱりですわ
でかゴブリン:なぬ?!
ディア:なんでこんなこと言ってるかわかるか?でかゴブリンさんよぉ
でかゴブリン:俺様王!!ゴブリン王!!!!でかゴブリンとか失礼な!!!……で?
ディア:……俺が
フラム:あたしたちが
ルーア:あなたを倒すからですわ!!!
でかゴブリン:っは!!!ははは!!!なんだそれは!!!!
ディア:フラム!!
フラム:うん!!
でかゴブリン:うお?!
ディア:はああああ!!!!サンダーブレード!!!!
でかゴブリン:ぐ、おおお!!!
ディア:くっ!!!
フラム:ディア!!!
ディア:うっ、っと!あいつかってぇぞ!!
フラム:ファイアウルフ!!
でかゴブリン:よっとぉ!!当たらなきゃ意味ねえんだよなぁ?!
ルーア:私も助太刀いたしますわ!はあああ!!
でかゴブリン:はっ!!……ひゃはは!!その程度の力で俺様を倒せると思うな、よ!!
ルーア:きゃああ!!!
ディア:ルーア!!く、フラム!
フラム:わかってる!!フォルムチェンジ!!
でかゴブリン:おせえぞ!!ほら!!追撃だ!!
フラム:ま、にあええええ!!
ルーア:く……!!
リディオーネ:アクアパニッシュ!!
でかゴブリン:うあっ?!水が!!目にあああ!!
リディオーネ:お嬢様!!!
ルーア:リディ……無事でしたのね……
リディオーネ:はい。村人も安全な場所に避難させました。
ルーア:!……よくやりましたわリディ。さすが、私のメイドですわ……
リディオーネ:!はい!
でかゴブリン:やりやがったな!!!
ディア:さて、でかゴブリンさんよぉ
でかゴブリン:なんだ!!さっきから!!ゴブリン王だとあれほど
ディア:フラム、行けるか
フラム:おいっす!!
でかゴブリン:な、なんだ……!魔力が増大してやがる……!
ディア:フラム、お前の力、借りるぞ
フラム:うん。
ルーア:これは……!
リディオーネ:ディア様とフラム様の……
ディア:これが、デュエット。アーディバを倒した力だ!!
でかゴブリン:な、なんだその姿は!!あの小娘は……!
ルーア:あなた、デュエットを知らないなんて世間知らずですのね
でかゴブリン:は?!
リディオーネ:デュエット。エールの民と人間が一体化し、力を継承させる。一種の極大魔法です
でかゴブリン:あ、ご説明どうも
リディオーネ:いえいえ
ディア:覚悟はできてんのかでかゴブリン
でかゴブリン:そんな姿になったところで俺様に勝てるわけが
ディア:遅いな
でかゴブリン:なっ……!!ゴフッ!!
ディア:もう一回!!お見舞いしてやるよ!!
でかゴブリン:ぐはっ!!!
ディア:てめぇなんか蹴りで十分だ
ルーア:す、すごいですわ……
リディオーネ:早いうえに力も強い……適合率があんなに高く……
でかゴブリン:こ、こしゃくなああああ
ディア:フラム
フラム(声):うん、やっぱりあの玉から強い魔力を感じる。あの玉さえ壊せれば……
ディア:わかった。……でかゴブリン。しょうがねえから見せてやるよ……俺たちのこの剣を。
ルーア:炎の剣……!
ディア:行くぞ……!
でかゴブリン:こいやあああ
ディア:はああああ!!ブレイブセイバー!!!
でかゴブリン:ぐ、ぐぐぐ!!!
リディオーネ:!玉にヒビが……!
ディア:うおおおお!!!
でかゴブリン:う、ああああああ!!!!!
(玉が割れ、ゴブリンの姿が変わり)
(間)
ディア:……ふう、終わったな
フラム:よいしょっと
ルーア:お疲れ様ですわ
リディオーネ:見事でした、お二方
ディア:おう
フラム:で、ゴブリンさんだけど……
ディア:なんだー?寝てんなぁこいつ
リディオーネ:皆様、あの、この方を倒すのを待っていただけないでしょうか
ディア:どういうことだ?
リディオーネ:実は……見てしまったのです
フラム:え?え?何を?
リディオーネ:詳しいお話は村人さんたちがいる避難場所でします。……ここで立ち話は何ですから……
ルーア:……わかりましたわ
リディオーネ:ありがとうございます!
ディア:え、俺がこいつしょってくの?マジで?
フラム:頑張ってねディアー
ルーア:頑張ってくださいまし
リディオーネ:お願いいたします!
ディア:マジかよおお!!!
(間)
フラム:次回予告
ルーア:で、話っていうのは?
リディオーネ:実は……このゴブリンさんは……
ディア:衝撃の事実が明かされる
フラム:っていうかこの話って……私たちまずいんじゃ……
リディオーネ:次回、デュエット・ファンタジア第三話、闇の宝玉
ルーア:危険な闇の因子……これをなんとかしないと……世界は……