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jewel fantasia world

 

ー第一話ー 「滅びの前兆、春の訪れ」

ダイヤモンド(♂)

春ノ国の王。4月の宝石代表
平和を真に愛し、民の心を憂う
純真な心を持っている若き王
冬ノ国と対立関係にあるが、対話での解決を望んでいる
優しい王様
武器は剣


アクアマリン(♀)

春ノ国の騎士団団長。3月の宝石代表
男性として生きてきたが実は女性である
勇敢な心を持ち、騎士団を正義ある護り手として
日々鍛錬をしている
騎士団団員からも信頼を得る心強き女性
武器はハルバード


ブラッドストーン(♂)

春ノ国の騎士団副団長
冷静な性格でアクアマリンを一に支えている
アクアマリンに次ぐ強者
曲がったことが嫌いで、自身の信念を貫く
いわば頑固者である
武器はレイピア


ペリドット(♀)

夏ノ国の女王
幸を招く幸運の御子であるが子供っぽいところがある
身長もあまり高くなく、周りから小さな女王様と呼ばれ
からかわれている。
武器は杖


♂2 ♀2

 

ダイヤモンド♂:
アクアマリン♀:
ブラッドストーン♂:
ペリドット♀:


 

※台本表記は略称しております

 

 

ダイヤ:この世界は、宝石の力を司る者たちが存在する。
人はそれぞれの輝きをもとに役割があり。
その役割を担い世界は時を刻んでいる。
国は4つ。季節の国が廻っている。
世界はその国々に、その季節の代表石を王や上に立つものとし、その輝きを持つものは選ばれし者として役割を承諾した。

宝石の輝きが放つこの世界で、それぞれの役割を持つ者たちの
輝かしい物語である――

 

ダイヤ:jewel fantasia world ー第一話ー 「滅びの前兆、春の訪れ」


(間)


アクア:陛下、ご報告いたします

 

ダイヤ:話せ

 

アクア:はっ。現在、冬ノ国は冬の嵐の影響のためかそちらの対応に追われているとのこと。

 

ダイヤ:つまり、今のところ戦になる気配は

 

アクア:ほぼ無に等しいかと

 

ダイヤ:そうか……大儀である。ゆっくり休むがよい

 

アクア:ありがたきお言葉。……陛下、あと一つ

 

ダイヤ:なんだ?

 

アクア:夏ノ国より、ペリドット女王がこちらに

 

ペリドット:久しいな~ダイヤ

 

ダイヤ:ペリドット……

 

アクア:ペリドット王、無断で入られては困ります

 

ペリドット:少しくらいいいではないか~其方こそ、この女王にその態度……不敬であるぞ?

 

ダイヤ:ペリドット。あまりつついてやるな、これでも私の国随一の強者、アクアマリンだぞ?私の右

腕に等しい

 

ペリドット:むぅ、……ダイヤに免じて許してやろう。アクアマリンとやら

 

アクア:いえ、こちらも確かに失礼でした。申し訳ございません

 

ペリドット:うむ。よいよい!……そうじゃダイヤよ

 

ダイヤ:なんだ

 

ペリドット:今日は茶会をしたくての。遊びに来たのじゃ!余の相手をせい

 

アクア:あ、あの……

 

ダイヤ:ふむ、……この後の予定はどうなっている?

 

アクア:……夕刻までは空いております。

 

ペリドット:決まりじゃな!では準備をせい!

 

ダイヤ:相変わらずだな、夏の女王は……

 

アクア:そうなのですか?

 

ダイヤ:ああ、お前は知らぬのか。……あのなりではあるが、幸いを招く力を持つ王だ。民にも愛されて

いる。

 

アクア:なるほど……?

 

ダイヤ:目のあたりにせぬとわからぬか。まあ無理もない。さて……皆の者!茶会を開く、支度をせい!

 

アクア:はっ

 

(間)

 

ペリドット:茶会じゃ~~菓子じゃ~~~~

 

ダイヤ:ゆっくりな、女王とあろうものがそんなにがっつくなど。子供みたいだぞ?

 

ペリドット:其方こそ、そんなにゆっくりではせっかくの紅茶も冷めてしまうぞ?何、せっかくの宴

じゃ。楽しもうではないか。のう?そこの少年よ~

 

ブラッド:おっしゃる通りでございます

 

ペリドット:うむうむ!余は素直な子が好きぞ?よい部下を持ったなアクアよ

 

アクア:……もったいなきお言葉です、ペリドット様

 

ペリドット:ふふ~~~

 

ダイヤ:ところでペリドットよ、あの宰相はどうした?

 

ペリドット:うむ、……喧嘩した

 

ダイヤ:はぁ……それで?

 

ペリドット:だから、その、……逃げてきた!

 

ダイヤ:……先ほども言ったが、夕刻までだからな

 

ペリドット:恩に着るぞ~~~白銀の君よ~~

 

ダイヤ:~~撫でるんじゃない!

 

ブラッド:……仲がいいのですね

 

アクア:確かに、そう見えるな

 

ブラッド:夏ノ国とは友好関係を築いていますが、……しばらくは平和が続きそうですね、団長

 

アクア:ああ

 

ブラッド:それにしても、すごいですねあの女王様は

 

アクア:?どういうことだ

 

ブラッド:……今、ペリドット様は護衛もなしにおひとりです。ここに来る途中、冬ノ国と和平を結んだ

ばかりとは言えもとは敵国。襲撃も十分あり得るわけです。

 

アクア:……傷一つないな。

 

ブラッド:幸運を招く御子とは、だてにそういわれているだけではないということでしょうかね

 

アクア:ふむ。……色々な意味で敵に回したくない人だ。

 

ブラッド:ですね

 

ペリドット:何をしておるのだーーもっと余に構え二人とも!

 

ブラッド:……俺たちが、ですか?

 

ペリドット:うむ!人数がいた方が楽しいであろう?ほら、もっと近くに来るとよい!のうダイヤ

 

ダイヤ:好きにするといい

 

アクア:で、では……お隣失礼してもよろしいでしょうか、ペリドット様

 

ペリドット:よい、許すぞアクアよ。そういえば、其方の名前を聞いてはおらんかったな

 

ブラッド:ブラッドストーンと申します。ブラッドとお呼びください、ペリドット様

 

ペリドット:おお、三月の代表宝石の一人か。ふむ、確かに感じるぞ?其方の宝石の輝きが

 

ブラッド:ありがとうございます。

 

ダイヤ:さて、茶会を再開するぞ

 

ペリドット:そうだな!

 

ダイヤ:お前の好きなケーキも用意させている。

 

ペリドット:よいのか!!余はうれしいぞ!!

 

ダイヤ:……ふふ

 

ブラッド:……陛下のあんなに笑っている顔、初めて見る気がします。

 

アクア:そうだな……ここのところ国のため動いていらっしゃったからな。茶会を開く時間もなかった。

 

ブラッド:これも、幸運の女王様のお力、というわけですかね

 

アクア:だろうな

 

ペリドット:おかわりじゃ!!持ってくるがよい!!

 

ブラッド:俺が持ってまいります。

 

ペリドット:おお!感謝するぞブラッドよ!

 

ブラッド:いえいえ

 

ダイヤ:ペリドット。それを食したら国へ帰るのだぞ

 

ペリドット:む……わかっておる……

 

ダイヤ:お前ならすぐ和解できるだろう。幸運を招く御子だからな。あらゆるものがお前の味方であろ

う。

 

ペリドット:……うむ、うむ!そうだな!やはりダイヤ。お前と茶会してよかったぞ!

 

ダイヤ:こちらこそ、だ。私も少し疲れていたからな。気分転換ができた。感謝する

 

ペリドット:よいよい!

 

ブラッド:ケーキをお持ちしました

 

ペリドット:おお~~~感謝するぞブラッド!

 

ブラッド:いえ

 

ダイヤ:ペリドット

 

ペリドット:なんじゃ?

 

ダイヤ:……いや。なんでもない

 

ペリドット:?そうか?

 

ダイヤ:ああ。気にせず食せ

 

ペリドット:……何かあったら言うのだぞ?

 

ダイヤ:……わかっている

 

ペリドット:……ふぅ、馳走になった!とても楽しい時間であった!褒めてつかわすぞ!春ノ国の者たち

よ!

 

(間)

 

ダイヤ:ペリドットは?

 

アクア:先ほどお帰りになりました。護衛にブラッドとコーラルを付けましたのでご安心を

 

ダイヤ:……よい行動だ。……この平和な時間が、いつまでも続くといいな……

 

アクア:陛下……?

 

ダイヤ:私の勘だが。……嵐が過ぎるころ、何かが起きる。そんな予感がしてならないのだ。

 

アクア:と、いいますと

 

ダイヤ:……警備の強化も怠るなよ。冬ノ国の脅威もそうだが……「黒き輝きが我らを襲う。」

 

アクア:それは

 

ダイヤ:ペリドットから聞いた。……夏ノ国の記録者が予言したそうだ。

 

アクア:記録者の予言ですか……

 

ダイヤ:ああ見えてあの国はそういう力が強い。

 

アクア:……わかりました。警備の強化、専念いたします。陛下も、ご無理なさらず

 

ダイヤ:……ありがとう、アクアよ。……下がってよいぞ

 

アクア:はっ。失礼いたします

 

(間)

 

ダイヤ:……絶対に、この国。この世界を。守って見せるとも……

 

ダイヤ:……この身に変えても、私に与えられた役割を果たして見せる。そして、……平和を勝ち取って見

せよう。

 

ダイヤ:……わが父よ。この国を守護せし者よ。……祈りをささげよう――

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